サファイア・マン《緻密な男編》〔39〕キャロルは弱冠二十六歳でありながら情報の定理をそのときに解明しています。つまりここでは真実といわれるものにすべて蓋がなされ、偽りの情報だけが錯綜、人々の口から口へ伝授されています。真実はひとつ。キャロルはおねだりをしていないし、欲しい時計を話しただけ。その点で、明解でした。それでも人々はニュースとして自分をメディアにして徐〔おもむろ〕に話していく・・・ここで、ひとつ、重大な点を見逃すキャロルではありません。あのテーブルには自分以外にはつかなかった。つまり、情報の発端はあの顧客の口・・・そしてもう一点はあの顧客の人柄であり性癖でしょう。俺はもう頭に来た!せっかく指名して早い時間来ているのに、相手は同伴、それでむかつき、新人でまだ初々しいキャロルに目移りのみではなくこころ移り、そして自分のこころの傷を癒してもらいたい気持ちが大半。するとその時計こそご褒美になるもの、情報の定理はこうでした。真実が別個に存在する時にすべての他の情報が即時死滅するというもの・・・。わかッたあ?天才と凡人の距離は地球から月まではあるんだよ?キャロルの天才尺度で、君達がわかるわけがない、尺取虫にならない為に教えた。この緻密編を説明や分析結果の公開欄にあてましょう。昨日初めてキャロルは映画、華麗なるギャツビーをみて又示唆をもらいます。ニッポン版華麗なるギャツビー、それこそが、ルビーとサファイアになるだろうという神予測なんです。