サファイア・マン《かけがえのない男編》〔32〕もてない男の方が災難に遭いにくく、物事順調にいくんだってわかってきっとブサイク男はびっくりしているでしょう。ブサイク男はもてないから苦悩が理解出来ない、もてる男の大変さなんて実際わからないのです。シゲコも銀行と言う組織の中でカップルが続々誕生していったときに歯ぎしりしていたのです。自分がいいなあって思った女子行員が大抵カッコいい男性と出来てる。そういう男子行員に限って仕事は出来ない。シゲコはあるときにこう決めたのです。俺は畳の上では死なないぞ。マージャンがシゲコのクールガイを後押ししていました。こういう勝負の世界のタイムリミットの中で自身を燃焼させ、人生を語り合うことが習慣になっていったのです。酒もタバコも欠かしません。みんなが家庭を根城に仕事をこなしていく中、シゲコは本当の出会いをどこかで模索していたのかもしれない。女友達はいるにはいたのです。しかしいっとき観ないうちに彼女は大富豪になってしまうから人生はわかりません。取り立てて美人でもない彼女が誰も持ち得ない気立ての佳さを武器に、スナックオーナーへの道のりを制覇、しかもパトロン不在という一点がキャロルとの共通項だったとしたら?嬉しいことです。彼女との長すぎる春がキャロルに幸運をもたらしたとすればグッドスイング!光栄に思わなければバチがあたる。シゲコが面白い発言をするんです。マージャンは差別を受けて久しいって。囲碁なら風格を持って語られる場面がマージャンではいつも肩身の狭い思いにハラハラしたと・・・。なんでかなあってキャロルは考えてしまうんです。