俺が兄弟たちと疎遠になるキッカケを昨日キャロルに話した。まだキャロルと一緒になる前、四十歳になったばかりの独身の頃。結婚式の招待状が郵送できて、開封して目を通していた。それなのに完全に当日忘れてもちろん連絡もしなかった。俺は兄貴に電話でどやされる。あの頃は固定電話の時代だった。お前は連絡ぐらい出来るはずだ?ってね。俺はそのときに思い知った。姪っ子や甥っ子が続々ケッコンするという事態に、おれ自身が参っていたというのがあったのでは?自分を弁護するのは初めてだが、無意識の教唆が掛かるということがニンゲンにはあるという証しなのだ。俺は招待状を観たときに、自分を無意識のうちに哀れみ、別個に自分の存在を確保したのではないのか?それは結婚式に不似合いなじぶんなのだ。もはや・・・独身貴族ではない処の。