サファイア・マン《かけがえのない男編》〔29〕ゲーム脳反射主義を推進していたキャロルはこの息子の意外な一面に前々から気が付いていたのです。音楽にさりとて恩恵のないと思われたこの息子が変わったのは、あの太鼓の達人からでした。キャロルはずっと身内からおかしな母親だと言われ続けていたのです。自分がピアノを弾くのになぜ?子供達に伝授しないのか?という問いかけ。キャロルは子供たちの誰かが教えて欲しいって言ってきたなら教えようという準備はしていましたが、ゲームの方が子供達のこころを魅了したのはいうまでもない。嬉しい誤算にあとから気が付くのです。音楽は付加されてゲームをしてきたという事実。そのものズバリ言いましょう。キャロルは例えばドラムを修得するのにまず音楽学校と言いません。。昨日も大村イオンで太鼓の達人をプレイする人を後方で見守っていたのですが、リズム脳が自他共に、構築されていくのを感じました。自分もプレイしたい!と強く思ったのです。次、ひとりで来たときにチャレンジしたい。昨日はお金がありませんでした。もちろん今日もない。シゲコに頼んでバナジウムも購入したのです。息子はそのときにジョイフル代だけは残していました。一回ビッグは来たものの、それがメダルが増えることはなく、レストランでは即座に彼は注文したのです。キャロルはシーザーサラダ、息子はバラエティ定食でした。よほど気に入っていたのでしょう。その頃の定番でした。