パラノーマシゲコというブランドが今年生まれたこと、それが最も今年の意義あることの一位にくるとキャロルは思う。ファーストブランドとして、綿入れの半纏なんかいいね?いわゆる、ちゃんちゃんこ。何しろシゲコの性格のけちさが、現在のキャロルの想像力の源。彼の清貧の度合いなくして、キャロルの創造力は凡に終わっただろう・・・。いじめがあったりシカトがあったり、そういう軋轢が西嶌キャロルを強豪にしたし、もしもみんなから可愛がられ、ぬくぬくしてここまでを来ていたなら、このような気迫は生まれるよしもなかったろう。麦踏みって本当にあったんだ。佐賀人の本領だよね?そこで、一心に何かに向うひたむきさが、キャロルを強靭な麦にしたんだね。もしも平凡過ぎて、もっと何かピリっとくるものが自分に欲しい人なら、佐賀人の麦踏みを思い出してもらえると在り難い。キャロルは踏まれても踏まれても、全然卑屈にならなかった。もっともっと大きくなっていく力を逆にもらった。大きな仕事を成す人物には必ず、細かい計算をする参謀が陣営にいて、それが金庫番シゲコであったのだ。