サファイア・マン《かけがえのない男編》〔3〕自分の憧れは、単なる想いとして終わるケースが度重なってくると、もしや人生は味気ないものになるのでは?そういった危機的概念が沸いてくるのも否めないし小学校五年生で、すでにほろ苦い思いは味わっていたキャロルだったのです。お手紙をしたためて渡しに行くのですが何とバレンタインデーの10日前。あの頃はそういったバレンタインデーなど世間にありませんから、キャロルは、10日間、早まっていたものの、後に世間でいう処のバレンタインデーとして、子供の日を凌ぐおめでたい日になるのですから、あながち早計ともいえず人生はわかりません。小学五年のときの相手は、転校した後に、一度訪れているんですよ!矢上小学校を・・・。びっくりしたというもんじゃなくキャロルは慌てたしすぐに飛んで行きました。やっぱり人気者はそう簡単におしゃべり出来ないし、それだけの容器やオーラを放っていて、お兄様にロイヤルボックスでキャロルが27歳時にお会いしたときにも、近況を知りたがるキャロルにお兄様が閉口してしまう程。今で言うと岩城晃一さんと大森南朋さんを足して2で割ったようなお顔立ち・・・。キャロルは俳優系イケメンにもめっちゃ弱かったんです。そうするとキャロルは万男OKと思われそうですがきっちり海山系は保っていたのです。前の旦那が海で、あと少し砂浜の赤ちゃんに眼を放すというと満ち潮に持っていかれてた五島の奈良尾の海男とすれば、滋ちゃんは標高何百メートルという天山や雷山を擁する山男。滋ちゃんが森の中で迷子になって村民がみんなで一晩中探した事件もあったくらいに人里離れた奥地であったようですね。