ルビー・ウーマン《復讐の館編》〔42〕伯母の見合いの相手は奥様を亡くされた三菱勤務設計技師でした。千葉の完璧な家庭を垣間見た伯母に異変が起こっていたのを、キャロは察知し、伯母ちゃんは、いくつ?って。伯母は、いけしゃしゃあと、46才よ、まだ・・・。え?三歳さば読んでいません?女性って、いつまでも、若いってことに拘る生き物なんですよね。まだ、若いから、この縁談に乗ってみたら!ってキャロは後押ししたのです。でもねえ、もう子供は無理だしね、結婚って、やっぱり、子供が大事っていえなくはないかなあ?それだけじゃないよ、結婚して、あの伯父様みたいな、暖かい家庭を築くのは、人間としての幸福に近付く第一歩だと思うけど・・・。伯母の様子はいつもと違って、意味深で、キャロは伯母のこころを占領していた、おぞましいものを、払拭するチャンスだと、じっと、気配を伺っていました。こういう場合、沈黙も有意義でした。キャロは封建主義のタヤとぶつかって、毎日、小競り合いの尽きない伯母を見てきています。キャロの母に対するときは、封建の妥当性を言うけれど、その割りに、タヤとは、ぶつかり、お互いが、傷ついていた。どういう因果なんだろう・・・。キャロは可哀相は通り越して、不憫になることが多かったのです。